走り書きな人生

オタクの気まぐれブログ。

【Nの本棚】夢中さ、きみに。/和山 やま

 

お久しぶりです。

 

 

ここ最近、ドンピシャな作品に出会った。

 

和山 やまさんの「夢中さ、きみに。」

夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)

 

 

2021年1月よりこの作品のドラマが始まり、なにわ男子の大西流星くんが主役だというものだから見た、という背景。

 

 

ちょっと他の子とはちがう不思議な雰囲気を持つ男子高校生 林くんと、中学時代のトラウマから"逆"高校デビューを果たした二階堂 明の日常を、前半と後半とでわけたお話。日常を切り取ったような作品(セトウツミ・架空OL日記 など)に近しい感じがあるかと思う。事件という事件が起きるわけでもなく、あるようでないような日常・・・そんな作品が大好きな私はもう原作に興味が湧かないわけなくて、すぐさま最寄の本屋へ。

「夢中さ、きみに。」と、「女の園の星」※和山先生の別作品を購入。漫画は割と読むほうだけど、絵に好き嫌いがはっきりしているのと圧倒的に集英社作品を好むが故に、和山先生をこれまで存じ上げず。自ら好んで手に取る絵のタイプではなかった・・・悔いる!

 

 

そして、あっという間に読了。

今まで好き嫌いしてきた自分を殴りたいほどには素晴らしい作品だった。

 

 

林くん編での一番好きな場面は、やっぱり網に絡まった橋本環奈。ただただシュールすぎて、一体どんな風にくぐったらあんな絡まり方をするんだと。あと林くんの中でのかわいい人=かんなちゃんっていうのが、さすが今時の高校生っぽくてじわじわきた。中学時代のあだ名が仮釈放だったり、学校中の階段数を全力で数えたり、学校で芋を干したり、真顔で自由気ままに少しずれた行動をとる林くんだけど、それがまたおかしくもあり羨ましくもあり。若いっていいなー

 

 

二階堂明編では、修学旅行中のホテルの場面が好き。客観的にみればベッドに寝転びながらクラスメイトの目高と他愛もない会話をしているのだが、二階堂にしてみたら全然他愛もないことなくて。二階堂に構う目高が一体何を考えてるか分からないけど、変人モードを解除した二階堂を回りに知られるのは嫌なんだろうなって考えたり…二階堂が変な人を演じていると知っているからこそ余計に、普通の会話だったり普通の行動が強く印象に残るんだろうな。

 

 

他にも個性溢れるキャラクターが登場するけれど、私のお気に入りは松屋さん。「鉄と鉄」という小説を通じてSNSで林くんと繋がる女の子。たまたま近くに住んでいて、林くんの奇妙な行動によってたまたま出会う。偶然と偶然が重なる運命的な出会いもおかしくシュールに描かれているから、胸キュンを感じることはない。

なのに、林くんの粋な答えだったり、林くんに触発されて松屋さんまで奇妙な行動をとってしまったときの照れた表情が可愛くてキュンとした。

 

さすがとしかいいようがない。

 

 

一度読んだらハマること間違いなし!

おすすめです。是非。